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スカラベの象徴するもの

カリーヨ・デ・アルボルノス、 フェルナンデス著・天利なつき訳

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スカラベ(タマオシコガネ)は最も崇められ、最も広まりよく知られているエジプトの象徴である。スカラベが象徴するものには二つの要素がある。たたまれた翼は弟子を、未だ存在していない生を象徴し、素早く羽ばたけるように翼をゆっくりと広げながら旅を始める。次にこの地面にへばりついた重い塊のような動物は、地面をひっかくように道を這い、舞い上がり太陽まで飛び、イニシエイトやアモンと関係のあるマスターの象徴であるケペル、すなわち翼のある太陽の輪に姿を変える。

ギリシャ人やローマ人は、エジプトの神殿で神聖なスカラベを支えた強固な柱に刻まれた文字を、後で認めたであろう。「私はケペルだ、弟子である。私の翼が開くとき、私は復活する。」

エジプトのヒエログリフ「ケペル」は「存在にいたる」という意味であり、つまり自身を創り、自身に形を与え、自身を再建するという意味である。これがスカラベが復活、自己再生する太陽のイメージを象徴する理由であり、スカラベの足で球を運ぶ様子が日々生まれ変わる太陽を、一方で自らの腐敗から再生する弟子として表される理由である。スカラベは生涯、地面を這いながら移動し、自らが再生するための重い球を自分で転がす。なぜなら自らの種をその球に託しているからである。そしてその生の終わりのしかるべき時に、スカラベは飛ぶために生まれてきたことを知り、運命を確信し、その翼を広げ太陽へと舞い上がるであろう。

中国に、同じような象徴的な解釈がある。“黄金の華の秘密”によれば、「スカラベは球を転がし、その球には命が宿る」。道教の解説者はフンコロガシの活動を無能に見える技術、不完全に見える完全の例として引用している。これらの例は老子により語られたものであり、知恵の基準となっている。

マヤ文明のチラム・バラムの書は、スカラベは物質的にみてもモラル的にみても地球のごみであるが、神になるよう運命づけられているものである、という表現をしている。

元記事URL
https://library.acropolis.org/the-symbolism-of-the-scarab/

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