TRADITION
日本の伝統から学ぶ
月とうさぎのおはなし
いつも私たちを照らしてくれるお月様。
日本で見るお月様の模様は「お餅をつくうさぎ」ですよね。
皆様は”月とうさぎの仏教説話”を知っていますか?
・・・月とうさぎのおはなし・・・
ある日、
サル・キツネ・ウサギの3匹が、山の中で力尽きて倒れている老人に出逢いました。
3匹はなんとか老人を助けようと考えます。
サルは得意の木登りで木の実を集め、
キツネは素早い足で川から魚を捕り、それぞれを老人に食料として差し出しました。
しかしウサギだけは、どんなに頑張っても何もとってくることができませんでした。
何とか老人を助けたいと考えたウサギは、自らの身を食料として捧げるべく、
火の中へ飛び込みました。
倒れこんでいた老人の実際の姿は、帝釈天でした。
ウサギの善良で慈悲深い行いを後世まで伝えるため、帝釈天はウサギを月へと昇らせたのでした。
・・・ 終 ・・・
というお話です。
なんとも健気で美しい。
私はこのおはなしの中で、いちばん大切なのは、
“特別な能力がなくても、自分にも何かできることがあるはず”というウサギの
「純粋な考えと心と行いが一致したこと」ではないのかな、と。
ウサギの立派な行いは見習いたいけどなかなか、、、そう思ってしまいますね。
でも、こういうシチュエーションならどうでしょう。
お腹をすかせている友人がいた時。
私も友人と同じくらいお腹がすいていたけれど、持っていたパンをちぎって半分あげた。
これだって、ウサギと同じ立派な行動と思います。
パンが”たまたま余っていた”からではなく、”出来ることだった”からそうした。
これが大切だと思うのです。
この月とうさぎの伝説は、インドやメキシコの説話にも出てきます。
ストーリーは少し違っていますが大切な点は共通しています。
よかったら調べてみてください。
私はこれからきっと、月にいるうさぎを見たら、
出来たことと出来なかったこと、胸に手を当てて考えるようになりそうです。